【保存版】遺言書の検認とは?申立ての流れ・必要書類・費用を徹底解説

大切なご家族が亡くなり、遺品整理の中で「遺言書」を見つけたとき、「すぐに中身を確認したい」と思うかもしれません。しかし、もしその遺言書が自筆証書遺言(手書きの遺言書)で封印されていた場合、勝手に開封するのは絶対にNGです!家庭裁判所で「検認」という手続きを経る前に開封してしまうと、5万円以下の過料を科されるおそれがあります。
- 「検認って一体どんな手続き?」
- 「どこの裁判所に行けばいいの?」
- 「必要な書類や費用は?」
など、突然のことで不安や疑問を抱える方も多いでしょう。
そこで、この記事では、遺言書の「検認」について、手続きの目的から、必要書類、費用の目安、申立てから当日の流れまでを解説します。検認が終わった後にやるべき相続手続きについても触れていますので、検認の手続きを終えた後の流れもわかると思います。ぜひ、今後の参考にしていただけると幸いです。

保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚
遺言書の「検認」とは?
遺言書の「検認(けんにん)」とは、遺言書の存在や内容を相続人に知らせ、発見された遺言書の偽造や改ざんを防ぐため、家庭裁判所において現在の状態を確認し、記録しておく手続きのことです。
ここでおさえておくべきポイントは、検認が「遺言書の内容が有効か無効かを判断する手続きではない」という点です。検認は、あくまで「この日に、この状態の遺言書が存在した」という事実を公的に残すための手続きにすぎません。
なお、遺言書が有効か無効かの判断は、家庭裁判所での調停や地方裁判所での「遺言無効確認訴訟」といった別の裁判手続きによって決着をつける必要があります。
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検認が必要なのは自筆証書遺言の場合
この検認が必要なのは、遺言書が自宅の金庫や仏壇などで保管されていた「自筆証書遺言」(その他「秘密証書遺言」の場合も必要です)。これらは公的機関が関与せずに作成・保管されるため、発見した人が自分に都合よく中身を書き換えるなどする「偽造や改ざんのリスク」を伴います。そのため、まずは家庭裁判所に持ち込み、遺言書の現在の状態をしっかりと記録・保存してもらう手続きが必要となります。
一方、「公正証書遺言」や、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して預けられていた自筆証書遺言では、検認が不要です。公正証書遺言は公証役場で、法務局保管の遺言書は法務局において、それぞれ原本が保管されています。つまり、公的機関が遺言書を直接管理しており、後から相続人などが偽造や改ざんを行うおそれがないことが明白だからです。
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【要注意】検認前に遺言書を開封してはいけない
封筒に入っていて封印されていた遺言書を見つけたときに、やってはいけないことが検認の前に「開封してしまうこと」です。
家庭裁判所の検認以外の場で開封してしまうと「5万円以下の過料」というペナルティを科される可能性があります。これは、開封したことによって遺言書が書き換えられたり、一部が抜き取られたりするトラブルを防ぐためです。開封は、必ず家庭裁判所での検認手続きの場で行わなければなりません。
ただし、遺言書と知らずに「うっかり開封してしまった」場合でもご安心ください。勝手に開封したからといって、遺言書そのものが無効となるわけではありません。もし誤って開けてしまった場合は、慌ててテープなどで閉じ直したり隠したりせず、そのままの状態で速やかに家庭裁判所へ持って行き、検認の手続きを行いましょう。
なお、封筒に入っていても糊付けやハンコでの「封印」がない場合や、そもそもむき出しの状態で見つかった遺言書であれば、中身を確認してもペナルティの対象にはなりません。しかし、その場合であっても検認の手続き自体は必要となりますので、忘れずに家庭裁判所へ申立てを行いましょう。
検認の必要書類と費用
検認の手続きをするには、あとで解説する管轄の家庭裁判所に対して検認の申立てをする必要があります。検認の申立てをするには、あらかじめ以下の書類を集めておく必要があります。また、あわせて費用がいくらかかるのかも把握しておきましょう。
【1】必要書類
以下で紹介する必要書類はあくまで「法定相続人が配偶者と子ども(または子どものみ)」というケースの場合の必要書類です。誰が法定相続人になるか(相続人が親や兄弟姉妹になる場合など)によって必要な戸籍謄本の範囲が大きく異なるため、ご自身のケースに合わせて追加の戸籍を集める必要があります。
| 書類 | 必要となる理由 | 取得先 | 注意点 |
| 家事審判申立書(検認申立書) | 家庭裁判所に検認の手続きを正式に求めるため。 | 裁判所のホームページ(ダウンロード)、または家庭裁判所の窓口 | 申立人や遺言者の情報、相続人の一覧などを正確に記入する必要があります。 |
| 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍・改製原戸籍など) | 遺言者が死亡した事実と、法定相続人が誰であるかを漏れなく確定させるため。 | 遺言者の本籍地がある市区町村役場 | 転籍や婚姻などで本籍地が変わっている場合、複数の役所に請求して遡る必要があり、収集に最も手間と時間がかかります。 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 法定相続人が現在生存していることを証明するため。 | 各相続人の本籍地がある市区町村役場 | 必ず「遺言者の死亡日以後」に発行された最新のものを用意する必要があります。 |
| 遺言書の写し(コピー) | どのような遺言書か、裁判所が事前に状況を把握するため。 | お手元の遺言書をコピーする | ※封印されている遺言書は絶対に開封してはいけません。 コピーをとらず、当日そのまま「原本」を持参します。 |
【ダウンロード】遺言書の検認の申立書 | 裁判所
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【2】費用
遺言書の検認手続きにかかる主な費用は以下のとおりです。
- 収入印紙代: 遺言書1通につき800円
- 連絡用郵便切手代: 相続人への連絡等に使う切手(数千円程度。裁判所により異なります)
このほか、提出する戸籍謄本等の発行手数料(1通450〜750円程度)が別途必要となります。専門家に頼まずご自身で手続きを進める場合、裁判所に納める実費自体は数千円程度で収まるのが一般的です。
検認申立ての基本情報
検認の申立てをするには必要書類を集めることのほかに、以下の情報も知っておく必要があります。
【1】申立て先(管轄の家庭裁判所)
検認の申立ては、管轄の家庭裁判所にする必要があります。管轄の家庭裁判所以外の家庭裁判所に検認の申立てをしても受け付けてもらえないなどして、余計な時間と手間がかかってしまうため、しっかり確認しておきましょう。
検認の申立て先は、「遺言者の最後の住所地(亡くなった時点での住民票上の住所)」を管轄する家庭裁判所と決められています。申立てをする人の住んでいる地域に一番近い家庭裁判所とは限らないため、事前に裁判所のホームページなどで提出先をしっかり確認しておきましょう。
【例】
- 遺言者の最後の住所地 :福岡県久留米市
- 申立先裁判所(管轄裁判所): 福岡家庭裁判所久留米支部
なお、遺言者の最後の住所が遠方で直接家庭裁判所に出向くのが難しい場合は、郵送での申立ても可能です。
【2】申立人
検認の申立てをできる人は
- 遺言書の保管者
- 遺言書を発見した相続人
です。
【3】申立期限
遺言書の検認手続きには、「死後〇ヶ月以内」といった期限は設けられていません。しかし、法律には「遺言書を発見した後、遅滞なく家庭裁判所に提出しなければならない」と定められています。
「遅滞なく」とは、正当な理由がない限りできるだけ速やかに、という意味です。検認を終えないと、不動産の名義変更や銀行預金の解約といったその後の相続手続きを進めることができません。また、発見した遺言書を意図的に隠したり、提出を長期間怠ったりすると、5万円以下の過料を科される可能性もあります。
遺言書を見つけたら、放置せずにできるだけ早めに必要書類の収集と申立ての準備に取り掛かりましょう。
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検認の申立ての流れ
必要書類の収集や、申立て先の確認などの事前準備が整ったら、いよいよ実際に家庭裁判所で検認の手続きを進めていきます。手続きは大きく分けて以下の3つのステップで進行します。順を追って見ていきましょう。
【ステップ1】管轄の裁判所に必要書類を提出する
まずは、作成した申立書と、集めた戸籍謄本などの必要書類一式を、管轄の家庭裁判所へ提出します。
提出窓口へ直接持参するほか、遠方で出向くのが難しい場合や平日に時間が取れない場合は、郵送での提出も可能です。 提出時には、申立書に手数料となる収入印紙(遺言書1通につき800円分)を貼り、裁判所から指定された連絡用の郵便切手を一緒に納めます。(※遺言書が封印されている場合は、絶対に開けずにそのまま提出してください。)
提出した書類に不備がなければ、無事に申立ては完了(受理)となります。
【ステップ2】家庭裁判所からの通知(検認期日の決定)
申立書類に不備がなく無事に受理されると、申立てからおよそ1〜2ヶ月後に、家庭裁判所から「検認期日」の通知書が届きます。検認期日とは、実際に裁判所で遺言書の検認を行う日のことです。
この通知書は、申立人だけでなく、法定相続人全員に対して郵送されます。これは「〇月〇日に遺言書の検認を行うので、立ち会いたい方は来てください」という案内です。
【ステップ3】検認期日当日の手続き
検認の当日は、申立人は必ず出席し、遺言書の原本(封印されている場合は未開封のまま)を持参しなければなりません。
一方、申立人以外の他の相続人は、必ずしも出席する必要はありません。遠方に住んでいたり、仕事で都合がつかなかったりして欠席する相続人がいても、検認の手続きは予定通り進められますし、欠席によるペナルティもありません。出席しなかった相続人には、後日、裁判所から検認が完了した旨の通知が届きます。
当日は、裁判官が出席した相続人の目の前で遺言書を開封し、用紙の形状、日付、署名などの状態を一つひとつ確認して記録します。手続き自体は、特に問題がなければ10〜15分程度で終わることがほとんどです。
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検認終了後にやること
家庭裁判所での検認手続きが無事に終わると、ホッとひと息つく方も多いかもしれません。しかし、検認手続きの終了はすべての相続手続きのスタートラインに立った状態にすぎません。検認手続きが終わった後も、まだまだやるべきことが待っています。ここでは、検認手続きを終えた後にやることについて解説します。
【1】検認済証明書を申請する
検認手続きが終わってまずやることが「検認済証明書」の申請です。
家庭裁判所で検認を受けた遺言書であっても、それ単体では相続手続きを進めることができません。遺言書とこの「検認済証明書」がセットになってはじめて、正式な書類として機能します。
証明書は、検認の終了後に家庭裁判所の窓口で申請して、遺言書の原本につけて(合綴して)もらうのが一般的です。申請には、遺言書1通につき150円分の収入印紙と、手続きをする方の印鑑が必要となります。検認期日当日に、そのまま窓口で申請して証明書のついた遺言書をもって帰りましょう。
【2】各種の相続手続きを始める
検認済証明書がついた遺言書を手にしたら、いよいよ本格的な相続手続きのスタートです。遺言書の内容に従い、亡くなった方の預貯金の解約・払い戻しや、法務局での不動産の名義変更(相続登記)、株式の移管手続きなどを各機関の窓口で行います。
これらの手続きには、遺言書のほかに「遺言者の戸籍謄本」や「財産を受け取る人の印鑑証明書」など、各機関ごとに指定された様々な書類が求められます。まずはどんな書類が必要か確認し、まだ集めきれていない書類を集めていく必要があります。
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保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚


