【自筆証書遺言書保管制度】とは?必要書類と費用・手続きの流れを解説

- 「自分の財産を確実に家族へ残したいけれど、公正証書遺言は費用が高い」
- 「自分で手軽に遺言書を書きたいが、紛失や改ざん、死後に見つけてもらえるかが心配…」
とお悩みではないでしょうか?
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、2020年7月にスタートした「自筆証書遺言書保管制度」です。これは、ご自身で手書きした遺言書を、国の機関である法務局が長期間・安全に預かってくれる制度です。この制度を利用することで、紛失や改ざんのリスクを完全に防げるだけでなく、残されたご家族が家庭裁判所で行う「検認」という面倒な手続きも不要になります。
本記事では、自筆証書遺言書保管制度の仕組みをはじめ、5つのメリットや注意すべきデメリット、法務局での手続きの流れ、必要書類や費用に至るまでを網羅的に分かりやすく解説します。これから自筆証書遺言の作成を検討されている方は、ぜひ本記事を参考に、ご自身やご家族に合った最適な遺言の残し方を見つけてください。
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保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚
自筆証書遺言書保管制度とは?
自筆証書遺言書保管制度とは、手書きで作成した遺言書(自筆証書遺言)を、法務局(遺言書保管所)が長期間預かってくれる制度です。2020年(令和2年)7月10日から新たにスタートしました。
制度がはじまるまでの自筆証書遺言は、自宅の金庫や仏壇の引き出しなどで保管するしかありませんでした。しかし、そうすることで、以下のようなトラブルが発生していました。
- 紛失: どこにしまったか分からなくなり、死後に発見されない
- 改ざん・隠匿: 見つけた一部の相続人が、自分に都合よく書き換えたり、隠してしまったりする
このような手書きした遺言書の弱点を克服するために作られたのが本制度です。
自筆証書遺言書保管制度の5つのメリット
自筆証書遺言書保管制度を利用することには次のメリットがあります。
【1】遺言書の紛失・隠匿・改ざんを防ぐことができる
まず、一番のメリットは遺言書の紛失や第三者による隠匿・改ざんを防ぐことができることです。
自筆証書遺言書保管制度がはじまるまでの自筆証書遺言は自宅で保管されることが多く、いざというときに発見されなかったり、一部の相続人が自分に都合よく内容を書き換えたり、破棄してしまったりするリスクが常にありました。しかし、この制度を利用すれば、原本が法務局で保管され、同時に画像データとしても管理されます。そのため、紛失や改ざんの心配がなくなり、遺言者の大切な思いと意思をそのまま確実な形で残すことができます。
【2】遺言書の形式的チェックを受けることができる
次に、遺言書を法務局に預ける際に担当者から形式的なチェックを受けることができることです。
自筆証書遺言の書き方には法律上のルール(全文自書、日付の記載、署名・押印など)が定められており、少しでも不備があると遺言書自体が無効になってしまう可能性があります。この制度を利用して窓口へ遺言書を提出する際は、遺言書に形式的な不備がないかを担当者が確認してくれます。ただし、チェックされるのはあくまで形式面のみであり、遺言の内容自体が法的に有効かどうか(遺留分を侵害していないか等)までは審査されない点には注意が必要です。
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【3】家庭裁判所での「検認」が不要になる
次に、遺言者が亡くなった(相続発生)後に必要となる「検認」の手続きが免除されることです。
自筆証書遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言で相続手続きを進めるためには、まずは家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければなりません。この手続きを行うには、残された家族に一定の負担をかけてしまいます。しかし、法務局で保管された遺言書であれば、この面倒な手続きを省略することができるため、検認手続きを経ずに不動産の名義変更や銀行口座の解約などの具体的な相続手続きに入ることができます。
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【4】公正証書遺言に比べて費用が安い
次に、公正証書遺言を作成する場合と比較して費用を大幅に抑えられることです。
公証役場で作成する公正証書遺言は、財産の額に応じて数万円から十数万円以上の公証人手数料が必要になります。一方、自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、法務局へ支払う保管の申請手数料は1件につき一律3,900円(※収入印紙で納付)と非常に安価に設定されています。できるだけコストをかけずに、かつ安全に遺言書を残したいと考えている方にとっては、非常にコストパフォーマンスに優れた利用しやすい制度設計となっています。
【5】死亡時に相続人へ通知される仕組みがある
次に、遺言者が亡くなった際に、あらかじめ指定した人に対して法務局から通知が送られる仕組みがあることです。
せっかく遺言書を残しても、その存在を誰にも知られなければ意味がありません。自筆証書遺言書保管制度の「死亡時の通知」を利用すれば、役所の戸籍担当者との連携により遺言者の死亡が確認された後、指定した受取人(推定相続人や受遺者、遺言執行者などから1名)に対して、遺言書が保管されている旨が自動的に通知されます。これにより、遺言書の存在が家族に確実に伝わり、遺言者の最期の意思が手続きに反映されないという事態を防ぐことができます。
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利用する前に知っておきたいデメリット・注意点
自筆証書遺言書保管制度にはメリットがある一方で、次のデメリットも知っておく必要があります。
【1】遺言書の内容(有効性)まで法務局が保証するわけではない
まず、先ほど述べたとおり、法務局は遺言書の内容そのものが法的に有効かどうかまで保証してくれるわけではないということです。
自筆証書遺言書保管制度を利用する際、窓口の担当者は「全文自書されているか」「日付や署名があるか」といった形式的なチェックは行ってくれます。しかし、「誰にどの財産をどれくらい相続させるか」といった遺言内容の法的な正確性や、遺留分を侵害していないかといった実質的な有効性についてはチェックしてくれません。書き方を間違えていたり内容が曖昧であったりすると、いざ相続が発生した際に手続きが進まなかったり、相続人トラブルに発展したりする可能性があります。
遺言書自体は自筆証書遺言であることにかわりはないため、この制度を使うには、遺言者が本人が法的に不備のない遺言書を書けることが前提となります。
【2】原則として遺言者が法務局に行く必要がある
次に、遺言書の保管申請をする際は、必ず遺言者本人が直接法務局(遺言書保管所)の窓口へ出向く必要があるということです。
本制度では、遺言者本人の真意を確認し、なりすましや強要などの不正を防止するため、代理人による申請や郵送での手続きは一切認められていません。そのため、高齢で外出が困難な方や、病気で入院中・施設に入所中で自由に動けない方にとっては、制度の利用自体が高いハードルとなります。どうしても本人が出向けない場合は、公証人が自宅や病院まで出張してくれる「公正証書遺言」の利用など、状況に応じた別の手段を検討する必要があります。
【3】用紙のサイズや余白など、形式の指定が厳しい
次に、保管申請する遺言書には用紙のサイズや余白など、細かいルールが設定されているという点です。
提出した遺言書は法務局でスキャナーを使って画像データとして読み込まれ、長期間システム上で管理されます。そのため、「A4サイズの用紙を使用する」「上下左右に指定された数センチの余白を設ける」「片面のみに記載する」「ホッチキス等で綴じない」といったルールを守る必要があります。これらのルールを少しでも違反していると申請が受理されず、書き直しになってしまいます。作成前に法務省のホームページ等で規定をしっかり確認し、慎重に作成する手間がかかります。
自筆証書遺言書保管制度が向いている人とは?
自筆証書遺言書保管制度のメリット・デメリットを踏まえた上で、この制度の利用が向いている人とは次のような人といえます。
- 遺言書の内容に自信があり、あとで相続人に迷惑をかける心配がないと思っている人 (財産の種類が少ない、相続人が1人だけなど、内容がシンプルで法的な無効やトラブルのリスクが低い人)
- 遺言書の作成にかかる費用をできるだけ安く抑えたい人 (公正証書遺言のように数万円の数料をかけず費用を抑えたい人)
- 平日の日中に、自分で法務局の窓口へ出向くことができる人 (健康上の問題がなく、外出や移動に支障がない人)
- 生前は誰にも遺言の内容を知られたくない人 (公正証書遺言の場合は公証人や2名の証人に内容を知られてしまいますが、自筆証書遺言であれば完全に秘密にすることができます)
反対に、「財産の種類が多い(不動産が複数ある、未上場株式がある等)」「相続人同士の仲が悪い」といった場合は、内容の有効性が保証されない自筆証書遺言ではリスクが高いため、費用をかけてでも公正証書遺言を作成することを強くおすすめします。
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自筆証書遺言保管制度の手続きの流れ
自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、遺言書の作成から法務局での保管完了まで、大きく分けて4つのステップで進みます。ここでは、具体的な手続きの流れを順を追って解説します。
なお、現在、一部の法務局において、申請人の希望に応じて、メールにより保管申請書、添付書類、遺言書の形式面の事前チェックを行う「オンライン手続」の試験的取り組みが行われています。この手続きによれば、法務局に出向いた際に形式不備で受理されず、遺言書を書き直さなければならない手間を省くことができます。詳しくは以下のサイトでご確認ください。
【ステップ1】自筆証書遺言を作成する
まず、「自筆証書遺言自体のルール」と「保管制度のルール」に沿って遺言書を作成します。
【自筆証書遺言のルール】
| ルールの概要 | 詳細 |
| 全文の自書 | 遺言書本文はすべて自筆で書く必要があります(代筆やパソコン作成は不可)。※財産目録のみパソコン作成や通帳のコピー添付が可能ですが、その場合は目録の全ページに署名・押印が必要です。 |
| 日付の記載 | 「令和〇年〇月〇日」のように、作成した年月日を正確に自筆します。「吉日」といった曖昧な記載は無効になります。 |
| 署名 | 遺言者本人の氏名を自筆します。本人特定のため、戸籍通りのフルネームでの記載が強く推奨されます。 |
| 押印 | 遺言書に印鑑を押します。認印でも有効ですが、確実性を高めるために実印(印鑑証明書と同じ印)の使用が推奨されます。 |
| 訂正のルール | 修正テープ等は使えません。二重線で消して訂正印を押し、欄外に「〇字削除、〇字追加」と自書して署名するなど、法律で定められた厳格なルールに従う必要があります。 |
【自筆証書遺言書保管制度のルール】
| ルールの概要 | 詳細 |
| 用紙のサイズ | 必ず**「A4サイズ」**の用紙を使用する必要があります。 |
| 余白の指定 | データ化するためのスキャン読み取り要件として、用紙の上下左右に規定の余白(上5ミリ以上、下10ミリ以上、左20ミリ以上、右5ミリ以上)を空ける必要があります。 |
| 片面のみの使用 | 用紙の裏面には何も記載してはいけません(両面印刷・両面記入は不可)。 |
| ページ番号の記載 | 遺言書が複数枚になる場合は、各ページに総ページ数とページ番号(例:1/3、2/3…など)を記載する必要があります。 |
| ホッチキス等で綴じない | 複数枚になっても、ホッチキスや糊で綴じてはいけません(提出時に外せるクリップ等は可)。 |
| 筆記具の指定 | 長期保管のため、文字が消えるボールペン(フリクション等)や鉛筆は使用不可です。黒または青黒の消えないボールペン・万年筆などを使用します。 |
| 封筒は不要(無封) | 提出時は封筒に入れず、用紙をそのままの状態で窓口へ提出します(封筒に入れた状態で提出すると、その場で開封を求められます)。 |
ルールに反した遺言書を提出しても受理されないため、ルールに沿って作っているか提出前に今一度確認しておきましょう。
【ステップ2】管轄の法務局(遺言書保管所)を調べ、予約する
次に、遺言書の保管を申請する管轄の法務局(遺言書保管所)を決定し、事前の予約を行います。
遺言書の保管申請する法務局はどこの法務局でもいいわけではなく、次のいずれかを管轄する法務局に保管申請する必要があります。なお、2通目以降、追加で保管の申請をする場合は、最初に保管の申請をした遺言書保管所に対してしか保管の申請をすることができません。
- 遺言者の住所地
- 遺言者の本籍地
- 遺言者が所有する不動産の所在地
遺言書を預けることができる法務局はこちら「管轄/遺言書保管所一覧」で探すことができます。
管轄を確認できたら手続きの日時を予約しますが、法務局の窓口は完全予約制となっているため、予約なしで出向いても受け付けてもらえません。予約は法務省の専用ホームページからのオンライン予約が最も便利ですが、希望する法務局への電話予約や、直接窓口に出向いて予約をとることもできます。書類の準備期間も含め、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
【ステップ3】必要書類を準備する
次に、手続き当日に法務局へ提出・提示するものを準備します。
| 必要なもの | 取得先 | 備考 |
| 作成した自筆証書遺言(無封) | 自分で作成 | 封筒には入れず、ホッチキス等で綴じずに持参します。(※封筒に入れて持参した場合は、その場で開封を求められます) |
| 遺言書保管申請書 | 法務省ホームページ、または法務局窓口 | 事前にホームページからダウンロードして記入しておくか、当日に法務局の窓口で受け取って記入します。 |
| 本籍地の記載がある住民票の写し | 市区町村役場(窓口やコンビニ交付) | 作成後3ヶ月以内のもので、本籍と筆頭者の記載があるものが必要です。※マイナンバー(個人番号)の記載はないものを用意してください。 |
| 顔写真付きの公的身分証明書 | 各自持参 | マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、運転経歴証明書など、有効期限内のものに限ります。 |
| 収入印紙(3,900円分) | 郵便局、法務局内の印紙売り場など | 遺言書1通につき3,900円分が必要です。事前に郵便局等で購入しておくか、法務局内に売り場がある場合は当日に購入して申請書に貼付します。 |
【ステップ4】法務局で申請し「保管証」を受け取る
最後に、予約した日時に遺言者本人が直接法務局へ出向き、申請手続きを行います。
代理人による申請は一切認められません。窓口では、担当官による本人確認と、遺言書がルールに沿って作られているかどうかのチェックが行われます。無事に審査を通過して遺言書が受理されると、遺言者の氏名や遺言書を特定するための「保管番号」などが記載された「保管証」が交付されます。この保管証は、将来引越し等で住所変更の手続きをする際や、亡くなった後に相続人が遺言書を探す際の手がかりとなる非常に重要な書類です。紛失しないよう大切に保管し、信頼できる家族に保管証の存在を伝えておくと安心です。
【相続人向け】遺言書が亡くなった後の手続き
遺言者がお亡くなりになった後、残されたご家族(相続人)は法務局に遺言書が保管されているかどうかや、遺言書の内容を確認する必要があります。ここでは、ご家族が行うべき以下の2つの手続きについて順番に解説します。
【1】遺言書が保管されているか確認する方法
まず、遺言者が法務局に遺言書を預けていたかどうかを知りたい場合は、「遺言書保管事実証明書」の交付請求を行います。
この手続きは、相続人や受遺者、遺言執行者であれば、管轄にかかわらず全国どの法務局(遺言書保管所)に対しても請求が可能です(たとえば、遺言者が福岡の法務局に遺言書を保管している場合でも、交付請求は東京の法務局に可能ということ)。
【請求方法と必要なもの】
| 項目 | 詳細 |
| 請求方法 | 以下のいずれかの方法で請求できます。 ・全国の法務局(遺言書保管所)の窓口へ提出 ・法務局(遺言書保管所)への郵送 ・パソコンやスマートフォンからのオンライン請求 |
| 請求に必要なもの | ・遺言書保管事実証明書交付請求書(法務省HP等で取得) ・遺言者の死亡の事実が確認できる戸籍謄本等 ・請求人が相続人等であることを証明する戸籍謄本等 ・請求人の住民票の写し ・請求人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど) ・手数料(1通につき800円分の収入印紙)※オンライン請求の場合は電子納付も可 |
なお、この証明書で分かるのはあくまで「遺言書が保管されているかどうかの事実」と保管場所(法務局)のみであり、遺言書の具体的な内容までは確認できない点にご注意ください。
【2】遺言書の内容を確認する方法
次に、保管されている遺言書の具体的な内容を確認したい場合は、「遺言書情報証明書」の交付請求、または法務局での「閲覧」手続きを行います。
「遺言書情報証明書」は、家庭裁判所での検認手続きを経ることなく、そのまま金融機関の解約や不動産の名義変更といった相続手続きに利用できる重要な書類です。
【請求方法と必要なもの】
| 項目 | 詳細 |
| 請求方法 | 以下のいずれかの方法で請求できます。 ・全国の法務局(遺言書保管所)の窓口へ提出 ・法務局(遺言書保管所)への郵送(※証明書の請求のみ) ・パソコン・スマホからのオンライン請求(※証明書の請求のみ) ※「モニター閲覧」は全国の法務局窓口で可能ですが、「原本の閲覧」は遺言書が保管されている法務局の窓口でのみ可能です。 |
| 請求に必要なもの | ・遺言書情報証明書交付請求書(または閲覧請求書) ・遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍)謄本 ・相続人全員の戸籍謄本 (※上記2つの戸籍類は「法定相続情報一覧図の写し」があれば代用可能) ・請求人の住民票の写し ・請求人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど) ・手数料(証明書は1通1,400円、モニター閲覧は1回1,400円、原本閲覧は1回1,700円分の収入印紙) ※証明書のオンライン請求の場合は電子納付も可能です。 |
なお、相続人のうちの誰か一人が証明書の取得や閲覧を行うと、他のすべての相続人に対して「遺言書を保管している」旨の通知が法務局から送られる仕組みになっています。一部の相続人が遺言書の存在を隠したり、勝手に手続きを進めたりして相続トラブルに発展することを防ぐためです。
自筆証書遺言書保管制度Q&A
最後に、自筆証書遺言書保管制度について、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。制度を利用する前の最終確認としてぜひお役立てください。
Q1:遺言書を預けた後、内容を変更したり、取り下げたり(撤回)することはできますか?
A:はい、ご本人が手続きをすればいつでも可能です。 保管をやめたい場合は、法務局へ「撤回書」を提出することで、預けていた遺言書の原本を返還してもらえます(撤回の手数料は無料です)。内容を変更したい場合は、一度撤回の手続きを行って原本を返してもらった上で、新しく書き直した遺言書を再度保管申請する流れになります。なお、再度保管を申請する際には、改めて3,900円の手数料が必要となります。
Q2:遺言書の保管に、毎年の維持費や更新料などはかかりますか?
A:いいえ、毎年の維持費や更新料は一切かかりません。 必要となる費用は、最初に遺言書を預ける際の「保管申請手数料(1件につき3,900円)」のみです。これだけで、遺言者が亡くなった後も長期間にわたり、法務局で管理してもらうことができます。追加の費用負担を気にすることなく、安いコストで安心して利用し続けられるのは、この制度の大きな魅力と言えます。
Q3:法務局の窓口で、遺言書の書き方や内容について相談に乗ってもらえますか?
A:いいえ、法務局では遺言書の内容に関する相談には一切乗ってもらえません。 窓口の担当官がチェックするのは、あくまで「指定の用紙サイズか」「余白が守られているか」「日付や署名があるか」といった形式的なルールのみです。「誰にどの財産を譲るのがよいか」といった法的に有効な書き方についてはアドバイスしてもらえません。
Q4:預けた遺言書は、遺言者が亡くなった後いつまで保管されますか?
A:遺言者の死亡後、原本は50年間、画像データは150年間という長期間保管されます。 これだけ長機関にわたって法務局が管理してくれるため、万が一、遺言者の死後何十年も経ってから新たな財産が見つかったり、複雑な相続手続きが発生したりした場合でも安心です。何世代か後の相続人が遺言書の存在を確認したいとなった場合でも対応できる仕組みとなっています。

保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚


