予納金に注意!不在者財産管理人とは?選任の費用・手順を解説

遺産相続が発生した際、相続人の中に「何年も音信不通でどこにいるかわからない」という行方不明者がいると、遺産分割協議を進めることができません。遺産分割協議は、相続人全員の参加と合意が法律で義務付けられているからです。
このような滞った相続手続きを進めるための有効な解決策が「不在者財産管理人の選任」です。
この記事では、不在者財産管理人とは何者か、選任にかかる費用(特に高額になりがちな予納金)、手続きの流れ、権限の範囲についてわかりやすく完全解説します。
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保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚
不在者財産管理人とは?
不在者財産管理人とは、従来の住所(生活の本拠)や居所(生活の本拠とはいえないまでも一時的に寝泊りしている場所)を去り、容易に帰ってくる見込みのない人(不在者)に代わって、その財産を管理・保存する人のことです。あとで解説しますが、家庭裁判所に対して選任の申し立てを行い、家庭裁判所が選任します。
不在者財産管理制度の目的は大きくわけて二つあります。
一つ目は、不在者の財産を保護することです。不在者が不在となっている間に、財産が放置されて価値が下がったり散逸したりするのを防ぎます。不在者が無事に戻ってきたときに、財産を確実に返還できるように維持・保存することが第一の目的です。
二つ目は、利害関係人の保護と社会経済の停滞を防ぐことです。不在者がいると、遺産分割協議や債権回収、共有不動産の売却などの手続きを進めることができません。不在者の代わりに不在者財産管理人が代わりに手続きに参加することで、不在者以外の親族や債権者が手続きを進められるようになります。
💡「不在者」とは
不在者とは、従来の住所または居所を去って、容易に帰ってくる見込みのない人のことです。家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらうためには、「この人は不在者だ」ということを裁判所に認めてもらう必要があります。単に「親族間で何年も連絡を取っていない」「今の住所を知らない」というだけでは「不在者」とは認めてもらえません。まずは、戸籍の附票を取得して記録上の現住所を調べ、手紙を送る、実際に現地を訪問して居住実態を確認する、親戚や知人に近況を聴いてみる、警察に行方不明者届を出すなど、あらゆる探索手段を尽くしてもなお行方がわからない状態(おおむね1年以上、居場所不明など)である必要があります。なお、例外として、海外にいることが分かっていても、通信や交通が困難で全く連絡が取れず財産管理が不可能な状態であれば「不在者」と認められるケースもあります。
失踪宣告との違い
失踪宣告とは、家庭裁判所の審判により一定期間生死不明の人を「死亡した」ものとみなす制度です。不在者財産管理制度は不在者が生きていることを前提とする制度であるのに対し、失踪宣告は人を「死亡した」ものとみなすため、その人自身の相続が開始される点が根本的な違いです。
また、条件も違います。不在者財産管理人は不在になってからの期間の条件はありませんが、失踪宣告(普通失踪)は不在者が生存していると知られた最後のときから「7年間」生死不明の状態が継続していることが条件です。そのため、不在期間が短い場合やすぐに遺産分割協議を進めたい場合は、不在者財産管理人を選任します。
【不在者財産管理人と失踪宣告の違い】
| 項目 | 不在者財産管理人 | 失踪宣告 |
| 要件 | 行方不明で帰る見込みがない | 生死不明から7年間(災害等は1年間)経過 |
| 効果 | 管理人が代わりに財産を管理・処分 | 死亡したものとみなされる |
| その後の遺産分割 | 管理人が不在者の代理として協議に参加 | 不在者の代襲相続人などを交えて協議 |
| メリット | 行方不明期間が短くても利用可能 | 不在者の相続分を確保する必要がなくなる場合がある |
| デメリット | 予納金など費用負担が高額になる可能性 | 手続きに約1年程度の長期間を要する |
相続財産清算人との違い
相続財産清算人(旧:相続財産管理人)とは、相続人全員が相続放棄するなどして亡くなった方(被相続人)に相続人が一人もいなくなった場合に、残された遺産を管理・清算する人のことです。
両者の最大の違いは「被相続人の生死」です。不在者財産管理人は「生きている不在者」の財産を管理しますが、相続財産清算人は「すでに死亡している被相続人」の遺産を管理・清算し、最終的には国に帰属させます。相続手続きにおいて、行方不明の相続人がいて遺産分割協議が進まない場合は「不在者財産管理人」を、被相続人に相続人がおらず遺産の処分ができない場合は「相続財産清算人」を選任するという使い分けになります。
不在者財産管理人の選任が必要なケース
不在者財産管理人の選任の申し立てを検討しなければ主なケースは以下のようなケースです。
遺産分割協議をしたい
まず、これから遺産分割協議が必要という場合です。実務上、最も多く必要とされるケースです。
被相続人の遺産の分け方を決める遺産分割協議は相続人全員が参加する必要があります。相続人のうち一人でも欠けた遺産分割協議は無効であり、無効な遺産分割協議をもってその後の遺産承継手続き(相続登記、預貯金の解約・払い戻しなど)を進めることはできません。 そこで、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人を選任してもらいます。不在者財産管理人が裁判所の許可を得た上で、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することで、不在者がいなくても手続きを進めることができるようになります。
共有不動産を売却・処分したい
次に、共有名義となっている不動産を売りたい・処分したいという場合です。
複数人で不動産を共有している際も問題が起こります。たとえば、兄弟で実家を共有名義にしている状態で、兄弟のいずれかが行方不明になったという場合です。 不動産を第三者に売却したり、建物を解体したり、担保に入れて融資を受けたりするには、共有者全員の同意が必要です。共有者の中で行方不明者がいると同意を得ることができず、これらの処分ができません。この場合も、不在者財産管理人を選任し、管理人が裁判所の許可を得ることで、不動産の売却などの処分が可能になります(※なお、令和5年4月の民法改正により、「所在等不明共有者の持分の譲渡」という制度が新設され、不在者財産管理人を選任せずに裁判所の決定のみで第三者へ売却できる手続きも利用できるようになりました。)
不在者の財産を管理・修繕したい
次に、不在者の財産を管理・修繕したいという場合です。
不在者が単独で所有する財産が放置され、周囲に悪影響を及ぼしている場合にも選任が必要です。代表的なのは「放置された空き家」の問題です。不在者の家が老朽化して倒壊の危険があっても、他人が勝手に解体や修繕をすることはできません。 そこで、隣地の所有者や市区町村といった利害関係者が申し立てて不在者財産管理人を選任し、管理人が不在者の預貯金などから費用を捻出して修繕を行ったり、裁判所の許可を得て建物を解体・売却したりします。 (※現在では、特定の空き家のみを対象とする「所有者不明建物管理制度」や「管理不全建物管理制度」といった新制度を利用して解決を図るケースも増えています。)
不在者財産管理人の申し立てから選任までの流れ
ここからは、不在者財産管理人の選任申立てから実際に選任されるまでの具体的な流れを、5つのステップに分けて詳しく解説します。申立てから選任までのおおよその期間、1〜2ヶ月程度が目安です。
【ステップ1】申立人・管轄裁判所を確認する
まず、申立てを行う資格があるか(申立人)、どこの裁判所に申し立てるのか(管轄裁判所)を確認します。
申立人は、利害関係人または検察官です。利害関係人とは、不在者の財産の管理保存について、法律上の利害関係をもつ人のことです。不在者の特定の財産の取得を希望する人、不在者の知人・隣人というだけでは利害関係者にはあたりません。実務上は、不在者の配偶者や相続人、不在者に対して債権を持っている債権者などが「利害関係人」として申し立てるケースが多くみられます。申立先(管轄裁判所)は、不在者の「従来の住所地」または「居所地」を管轄する家庭裁判所です。
【ステップ2】必要書類を集める・作成する
次に、申立てに必要な書類を収集・作成します。
【基本書類】
- 申立書1通 ※裁判所のウェブサイトから書式をダウンロードできます
- 不在者の戸籍謄本 ※3か月以内に発行されたもの
- 不在者の戸籍附票 ※3か月以内に発行されたもの
- 財産管理人候補者の住民票(本籍の記載のあるもの)または戸籍の附票
- 不在の事実を証する資料(「宛先尋ね当たらず」で返送された手紙、警察署長発行の行方不明者届受理証明書、不在者の最後の住所地を訪ねた際の現地調査報告書など)
- 不在者の財産に関する資料(遺産分割の対象となる不動産の登記事項証明書、預貯金通帳の写し・残高証明書、固定資産評価証明書など)
- 申立人の利害関係を証する資料(申立人の戸籍謄本、賃貸借契約書の写し、金銭消費貸借契約書の写しなど)
【遺産分割が申立ての主たる目的である場合は「基本書類」に加えて】
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人が兄弟姉妹の場合は、さらに、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍
- 相続人全員の戸籍
- 相続関係説明図
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申立書であらかじめ推薦できる「財産管理人候補者」
不在者財産管理人になるための特別な資格制限はありません。そのため、家庭裁判所への申立ての際に、申立書の中で「この人を不在者財産管理人にしてほしい」と財産管理人の候補者をあらかじめ推薦しておくことができます。
親族を候補者として推薦し、そのまま選任されれば、予納金を大きく抑えることにもつながります。もっとも、制度の趣旨からして、不在者財産管理人には不在者の財産を保護し、かつ、そうした能力をもっている人であることが求められます。
そのため、裁判所は以下の要素を勘案して不在者財産管理人を選任することとしています。
- 申立人と不在者と利害関係の有無及びその程度
- 候補者・申立人・不在者との関係性
- 管理する財産の種類及び規模
- 予想される管理業務の内容
- 候補者の事務処理能力 など
以上からすると、 遺産分割協議を目的として不在者財産管理人選任の申し立てをする場合、同じく遺産を分ける立場にある「他の共同相続人」は不在者と利害関係にあるため、不在者財産管理人になることはできません。親族の中に適任者がおらず、候補者を立てられない(または裁判所に認められない)場合は、裁判所が弁護士や司法書士などの専門家が選任されることになります。
【ステップ3】申立てに必要な費用・予納金
申立てにかかる費用・内訳は以下の通りです。
- 収入印紙 : 不在者1人につき800円。
- 連絡用郵便切手: 各家庭裁判所が定める額(数百円〜数千円程度)※裁判所に要確認
- 予納金 : 30万円~100万円程度。まとまった金額の納付を求められることがあります。
予納金とは、家庭裁判所によって選任された不在者財産管理人(弁護士や司法書士などの専門家)の報酬や、今後の財産管理に必要な経費に充てるため、申立人があらかじめ裁判所に納める「前払い金」のことです。
不在者財産管理人に弁護士や司法書士などの専門家が選任された場合、その報酬や管理費用は「不在者の財産」から支払われます。しかし、不在者の財産が借金ばかりであったり、不動産のみで現金が少なかったりすると、専門家への報酬が支払えなくなります。そのため、申立人にあらかじめ裁判所へ予納金を納めさせ、そこから管理人の報酬を確保する仕組みになっています。予納金は申立ての大きなハードルの一つとなっています。
【ステップ4】家庭裁判所への申立てと審理の進行
準備が整ったら、管轄の家庭裁判所に書類を提出して申立てを行います。申立て後、家庭裁判所は以下のような審理を行い、申立て内容が事実かどうかを確認します。
- 書類の審査と照会(事情聴取): 提出された書類を裁判所書記官などが審査し、申立人や不在者の親族に対して、書面照会や電話での聞き取りを行います。事案によっては、家庭裁判所調査官による直接の事情聴取(面談)が行われることもあり、行方不明になった経緯やこれまでの探索状況、現在の状況について詳しく聞かれます。
- 官公署への調査嘱託(職権調査): 裁判所が必要と判断した場合、関係機関に対して職権で不在者に関する調査を行うことがあります。具体的には、警察に対する「犯罪歴や逮捕歴」のほか「運転免許証の更新状況(最新の交付年月日や住所)」の照会、出入国在留管理庁に対する「出入国記録」の照会、外務省に対する「パスポートの発給状況」の照会などが行われます。そのほか、ハローワーク(雇用保険)や福祉事務所(生活保護)、金融機関に照会がなされるケースもあります。
- もし調査で不在者の所在が判明したら?: これらの調査を尽くした結果、不在者の現在の居場所が判明することがあります。その場合は、家庭裁判所から不在者本人宛に手紙(照会書)を送付して意向を確認したり、申立人に連絡先を伝えて直接連絡をとるよう促したりする対応がとられます。
【ステップ5】選任の審判・告知
審理の結果、財産管理の要件を満たしていると判断されれば、不在者財産管理人選任の審判が行われます。審判の内容は、家庭裁判所から申立人、利害関係参加人及び選任された不在者財産管理人に対して、審判書謄本が郵送されることで告知されます。一方、要件を満たしていないと判断されれば、申立て却下の審判がなされます。なお、選任の審判、却下の審判、いずれに対しても不服申し立てをすることはできません。
不在者財産管理人の権限
不在者財産管理人の権限は、不在者の財産を維持・保護するという制度の目的に基づき、管理人が自身の判断で行える「基本権限」と、家庭裁判所の許可が必要な「権限外行為」にわけられます。
基本権限
不在者財産管理人はその基本権限として「保存行為」「利用・改良行為」を行うことができます。
- 保存行為(財産の現状を維持する行為)
ex:老朽化した建物の修繕、時効の中断、期限が到来した債務の弁済など - 利用・改良行為(財産の性質を変えない範囲内で行う行為)
ex:現金を銀行に預け入れる、建物に造作を施すなど
権限外行為
不在者財産管理人が上記の基本権限を超える権限外行為を行うためには、家庭裁判所に「権限外行為許可」の申立てを行い、事前に許可を得る必要があります。許可を得ずに行った行為は、無権代理行為となり効力を生じません。 権限外行為の例としては、他の相続人との遺産分割協議への参加、不動産の売却や建物の取り壊し、株式の売却などが挙げられます。
💡遺産分割協議における厳格な審査
実務上、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加するために権限外行為許可を求めるケースが多いです。この際、家庭裁判所は「不在者の利益が不当に害されていないか」を厳格に審査します。そのため、不在者の取得額が相続分を下回るような遺産分割協議案を提示しても、原則として許可は下りません。
不在者財産管理人の職務
不在者財産管理人の職務は、家庭裁判所の厳格な監督の下で、行方不明となっている不在者の財産を適正に維持・管理し、その利益を保護することです。具体的な職務は以下のとおりです。
①財産の調査と目録の作成
- 財産状況の正確な把握:預貯金、不動産、有価証券といったプラスの財産だけでなく、借金などの負債、租税公課や地代家賃などの収支状況を調査し、正確に把握します。
- 財産目録の作成・提出:調査結果をもとに「財産目録」を作成し、選任の審判告知からおおむね1〜2ヶ月以内に家庭裁判所へ提出します。
②財産状況の報告
- 定期的な報告の義務:財産管理が長期にわたる場合、家庭裁判所の指示に従い、一定期間(おおむね年1回程度)ごとに財産目録や収支状況表を提出し、管理状況を報告します。
- 重要な事柄の随時報告:管理期間中に重要な事柄(財産状況の大きな変化など)が生じた場合は、定期報告を待たずに、その都度家庭裁判所へ報告する必要があります。
これらの職務を遂行するにあたり、不在者財産管理人は「善管注意義務」を負います。善管注意義務とは、自分の財産に対する以上の高い注意をもって、誠実に財産管理を行わなければならないというものです。また、管理で得た金銭などの受取物を引き渡す義務や、裁判所からの保存上必要な処分命令、担保提供命令に服する義務も負います。
不在者財産管理人の改任
改任とは、現在の不在者財産管理人を「解任(または辞任)」し、同時に新たな管理者を「選任」することです。家庭裁判所が不在者財産管理人を改任する場合としては、
- 管理人の都合による場合(実質的な辞任):管理人の高齢化や病気により職務の継続が困難になった場合や、遠隔地への転居などを理由に、管理人自らが家庭裁判所に改任(辞任)を求めるケースです。
- 不適任と判断された場合:管理事務の遅滞や家庭裁判所への報告事務の懈怠など、不適切な財産管理を繰り返した場合、家庭裁判所の職権によって強制的に適格性を欠くとして改任されることがあります。
- 不在者本人が定めていた場合:不在者本人が行方不明になる前に自ら(委任契約などで)管理人を選任していた場合でも、本人の生死が明らかでなくなった時は、利害関係人や検察官の請求によって家庭裁判所が改任することができます。
があります。なお、改任の審判が下された場合、従前の不在者財産管理人は、新しく選任された後任の不在者財産管理人に対して、管理していた財産を引き継がなければなりません。
💡 よくある誤解:「遺産分割が終われば管理人の任務も終わる」は間違い?
遺産分割協議を進めるために不在者財産管理人を選任した場合、「協議が無事に終われば、不在者財産管理人の任務も終了する」と誤解されがちですが、必ずしもそうではありません。遺産分割後の扱いは、以下の2つのパターンに分かれます。
① 管理すべき財産がゼロになった場合 =【任務終了】
遺産分割の結果、不在者の取得分を代償金として法務局に「供託」したケースなど、不在者財産管理人が管理すべき不在者の財産が手元に全くなくなった場合は、家庭裁判所に申し立てることで選任が取り消され、任務は「終了」となります(別の管理人に交代する「改任」ではありません。
② 不在者が財産を取得した場合 =【管理の継続】 遺産分割協議の結果、不在者が預貯金や不動産などの財産を取得した場合は、協議が終わったからといって任務は終了しません。あとで解説するとおり、不在者が戻ってくるか、死亡が確認されるか、あるいは失踪宣告がなされるまで、引き続きその財産を長期間にわたって管理し続ける必要があります。
不在者財産管理人による財産管理が終わるときとは?
改任以外にも、以下の場合には、不在者財産管理人による財産管理が終わります。
- 不在者が現れたとき:不在者自ら財産を管理できるようになった場合や、不在者が自ら委任管理人を置いた場合です。
- 不在者が死亡したとき・失踪宣告がなされたとき:不在者の死亡が客観的に確認されたり、家庭裁判所で失踪宣告の審判が確定したりした場合です。
- 管理すべき財産がなくなったとき:例えば遺産分割協議が完了し、不在者の取得分の代償金として法務局へ供託したことで、不在者財産管理人が管理すべき財産がゼロになった場合などです。
なお、上記の事由が生じても、自動的に不在者財産管理人の任務が終了するわけではありません。不在者財産管理人や利害関係人が家庭裁判所に申し立てを行い、「管理人選任処分の取消し」の審判を受けることで、正式に終了します。
職務を終える際、不在者財産管理人は管理していた財産を権限のある者へ確実に引き継ぐ義務があります。不在者が現れた場合は不在者本人へ、死亡した場合はその相続人へ財産や関係書類を引き渡します。最後に、家庭裁判所に対して収支の計算などをまとめた「管理終了報告書」を提出し、全ての任務が完了します。

保有資格:R7司法書士試験合格者(2026年中に司法書士事務所を開業予定)、行政書士、ファイナンシャルプランナー(2級・AFP未登録)
取扱予定業務:遺産承継(預貯金、相続登記など)・生前対策(遺言、任意後見、信託など)・民事裁判・離婚

